自分の生い立ちを知りたい
自分の生い立ちのことがあまりわからないので、知りたい。
さくら 高校2年生
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先輩たちからのメッセージ
「生い立ち知ること、大切」
ゆきあ/児童養護施設経験、大学1年生
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自分がどこで生まれ、どのように育ってきたかはとても気になりますよね。
施設の職員さんや里親さんにその気持ちを伝えてみれば、なにか行動を起こしてくれるかもしれません。
高校2年生ということは来年には成人をむかえるので、自分の生い立ちを知ることも大切だと思います!
「児童相談所の福祉司さんに聞いてみよう」
じゅり/児童養護施設経験、大学1年生
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私も気になったことがあり、児童相談所の職員さんに聞きました。
児相の職員さんでも分からないことは沢山あるのですが、聞いてみると何か新しいことが知れるかもしれないです。
「施設の職員さんに相談しました」
児童養護施設経験、大学1年生
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私は2歳の頃から18までの16年間、ずっと施設で暮らしていました。
自分はどうやって生まれ育ったのかを職員さんに聞いたら、児童相談所の方からのお話でしっかりと教えてくれました。
「深入りしすぎないほうがいいこともある」
いった/児童養護施設経験、大学1年生
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自分の生い立ちのこと、気になりますよね。
さくらさんが今どの程度まで知っているのかわかりませんが、僕個人的には、人に自分の生い立ちを話すときに、最低限必要なことだけ知っていればそれで十分なのかなと思っています。
なぜかというと、もしかしたらさくらさんにとって知りたくなかったことがあるかもしれないからです。
例えば、実は親に捨てられていた、ということが分かったときにさくらさんが傷ついてしまう可能性があります。
なので、特別知りたいことがある、という場合を除いて、深入りしすぎないほうがいいこともあるので、それを踏まえて、知りたいことなどを児童相談所の職員さんに聞いてみるといいと思います。
彼らも知らないことがあると思いますので、すぐには答えられないかもしれませんが、できる範囲で調査して教えてくれると思います。
「児童相談所とよく話し合うのが大切」
なつき/里親経験、大学2年生
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私も10年以上もの間、自分のこと、実親のことを知らずに生きてきました。
児童相談所の人に、自分のことと実親のことについて知りたいと言ってから、10年以上たって自分の大体のルーツを知りました。
自分のことを知らない間はとても自分が不透明で孤独で、辛い日々だったように思います。
もし、自分のことを知りたいなら、はっきりと児童相談所に教えてもらえるように言った方が良いです。
ただ、どうやら児童相談所は、真実を伝えることによってもらたされるこどもの精神への悪影響を心配し、真実を隠すケースが多い様です。
私はそのケースでした。
もし、自分が誰なのか、どんな状況で環境でどんな人間から生まれてきたのか、場合によっては厳しい真実を知っても、前を向ける自信や覚悟があるなら、そして時間がかかってしまっても知りたいのなら、その旨を児童相談所に伝えた方が良いです。
知らないことによって精神的に苦しいこともあると、児童相談所の方にお話をしてみてはどうでしょうか。
「多少ショックなこともあるかも」
よしやす/里親経験、大学1年生
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僕の場合は、児童相談所の方々が調べてくださり、自身の大まかな生い立ちを知ることができました。
もし自分の生い立ちを知りたいなと思ったら、担当してくれてる児相の方もしくは施設の職員、里親など頼れる人に聞いてみましょう。
自分の生い立ちを知る中で多少ショックなことがあるかもしれませんが、知ることは大切です。
「えんりょせずに、気持ちを伝えよう」
ゆうこ/児童養護施設経験、社会人
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「自分の生い立ちについて知りたい」という気持ちは大事なことで、私たちにはそれを知る権利があるはずなので施設の職員さんや周囲の大人にえんりょせずに聞いてみるのもいいと思う。
「知りたいと思うのは、よいこと」
ななこ/里親家庭経験、社会人
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知りたいと思えることは良いことだと思うので、えんりょせずに、聞けそうな人に聞いてみるといいと思います。
私は里親や児童相談所の担当の方が教えてくれました。
おとなからのメッセージ
「”知りたい”も”知りたいけど不安”も大切にされる」
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「生い立ちのことが知りたい」との言葉から、自分にとって大事なことがまだ得られていない様子、ゆれ動く気持ちが伝わってきます。
特に知りたいと願うのはどのあたりでしょうか。
そもそもの自分のルーツ(出自(しゅつじ)とも言います)、自分がなぜ社会的養護のもとで生活する必要があったのか(背景や理由、措置*に至る判断とその意味)、親が自分に向ける思い、家族が今どうなっているかなどを知ることは、自分の「これから」を生きるうえで重要ですね。
「知りたい」も「知りたいけど不安」も、大切にされる必要があります。
担当の児童相談所の福祉司や施設職員、里親さんなどには、あなたの知りたい思いや知る時期、知るまでのいろいろな道のり、気持ちなどと向き合い、あなたの人生をつなぐ責任があります。
自分の思いを伝え、早めに動いてもらうことをおすすめめします。
一度で終える事実確認というよりも、あなたの気持ちに添って対話の機会を重ねてもらうことが大事だと思います。
あなたにすぐ提供できる情報と、そうでない情報があるかもしれません。
あなたの状況をふまえ、配慮して取り組んでくれるはずです。
自分にとって大切なことを「知る権利」は、国連・子どもの権利条約(1989)にもうたわれています。
ある高校生が、こう言いました。
「自分の『これまで』がよくわからないのに、『これから』を考えるなんて、できないよ」。
大人に、生い立ちについて知りたいとぜひ伝えてください。
大切な意見表明ですから。
ただ、「状況が不明でわからない」しんどさ、生い立ちを知るからこそゆらぐこと、どう受けとめたらよいか迷うことなども生じるかもしれません。
そこで、信頼できる大人と一緒に、「事実」だけではなく、支援者・養育者からあなたに向けられた思いも確認してはどうでしょう。
迷いつつも知りたい自分を受けとめてもらい、支えられる経験になるでしょう。
意味深い体験になることを願っています。