社会的養護って何?
社会的養護って何?
さくら 高校2年生
音声で聴く
先輩たちからのメッセージ
「社会的に守っていくこと」
たかし/児童養護施設経験、社会人
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家庭で暴力を振るわれていたり、育児放棄をされていたりなど、こどもが安全な環境で育てられていない場合に、児童養護施設や里親家庭で暮らし、社会的に守っていくことです。
おとなからのメッセージ
「こどもと家族のために、一緒に最善探すもの」
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「社会的養護って何?」
大きく、大事なテーマですね。
あなたは施設や里親家庭、ファミリーホームで生活することを通して、この問いについてどう感じ、考え、どんな言葉をもっているでしょうか。
まずはそれらをうかがって一緒にお話ししたい気持ちです。
そこで、身近な大人にこの問いを投げ、ぜひ対話してみてほしいなと思います。
(こども家庭庁に移る前の)厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課による「社会的養護の推進について」(2020年)という資料の中に、こんな説明があります。
「社会的養護とは、保護者のない児童や保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うこと」
つまり、家庭の事情で親子が離れて暮らすことが必要と判断されるこどもを親に代わって養育し、そのこどもの家族も支援する。
社会的養護には、親への支援・家族への支援も入っているというわけです。
ではなぜ、親と離れて暮らすこどもを社会が保護して養育するのでしょう。
あなたはどう思いますか。
・・・それは、誰が何と言おうと、すべてのこどもが、守られ、生き、成長する権利を持っている、大切な人だからです。
そうしたこどもの権利を守ろう、保障しようと大人は努力して、さまざまな取り組みをします。
人と人とのかかわりや支援には「100%すばらしい」姿はないと思いますが、みなさんが今をこどもとして生き、将来に希望をつなげられるよう、ともに暮らし、育んでいくのです。
家族にも働きかけ、再び一緒に暮らせる可能性も模索します。
家庭復帰がかなわない場合には、どのように社会とつながって自分らしく生きていくことができそうか、ともに考え、行動します。
そうしたかかわりの意味が、みなさん自身にどんなふうに届いているか。それこそが大事だと思います。
実際、どうでしょう。
課題がすべてなくなり「すべてがうまくいく」ことはないかもしれません。
しかし、「みなさんの人生をつなぐサポートをしたい」、と大人たちは願い、こどもとともに日々を一緒に過ごします。
まだまだ制度の不十分さ、みなさんの思いを聴けていないところがあるのも事実です。
一人ひとりの思いに耳を傾け、対話し、社会的養護のあり方をより改善していく責任が大人と社会にはあります。
説明を充分得ていないことで生まれた問い・疑問などを周りの人たちに投げかけ、話し合いを重ねていただけるとよいです。
質問されることで大人もまた育てられますので。