「18歳成人」で気を付けること

 
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18歳成人になってから具体的になにが変わったのかよくわからない。 気をつけろとは言われるが、何をどう気をつけたらいいのか具体的に教えてほしい。 みさき 高校2年生
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先輩たちからのメッセージ

「大人と子ども、それほど違わない部分も」
なつき/里親経験、大学2年生
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私はもう18をむかえて成人になって1年以上は過ぎています。
でも特に変わったとは思いません。
少しだけ、プレッシャーを感じることがある、というくらいかなと思います。
18になったらもう”大人”なので、”こども”というものに甘えてきた分しっかりしなきゃいけないというような圧を感じることはあります。
ただ、正直な話、周りを見ると、しっかりしていない人は割といます。
だから別に「あ、もう大人だしすごいしっかりしなきゃ!」って思うことはほとんどないです。
自分は自分のペースで、このままゆっくり進んで、普通に幸せになって年を重ねていくんだろうなと思います。
自分はそれでいいと思うし、大人とこどもって、割と大差ないなってよく思います。
「よくわからないことには慎重に」
はると/児童養護施設経験、社会人
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自分の身を自分で守れる年齢になったということです。
それは誰も助けてくれないということではありません。
社会的にみてそうなだけです。
気をつけることとしては、よくわからないものに手を出さないことだと思います。
興味がわいたら、まず危険性を調べるなどリスクの回避をくせにすればいいのかなと思います。
 

おとなからのメッセージ

「何かあったときに違う、子どもと成人」
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成人するということは「法律的なことを一人でする」ということです。
未成年のときは、例えば一人でスマホのお店に行っても契約ができず、きゅうくつに感じましたよね。 成人すると、スマホの契約はもちろん、大きな買い物も銀行口座の開設も、就職も、部屋を借りることも、お金の貸し借りも、法律的なことは全部一人で自由にできるようになります。
お金や物やサービスなどのやりとりをする「契約」は、お互いの生活や人生を豊かにしてくれます。
どういう契約をするかを自分で決められる自由は、一人ひとりが幸せになるために、法律が大切にしている基本です。
ところがこの複雑な社会では、契約の場面で、力をもった側が圧倒的に有利で、立場の弱い側が被害を受けてしまうこともあります。
例えば、プロの選手と全くの初心者がスポーツの試合で闘うようなものです。
さらに言えば、反則すれすれの技や明らかな反則技を使って相手から財産を奪おうとかかってくる悪質な業者や人さえいます。
未成年のときには法律的なことを一人でできず、親や未成年後見人、施設長、児童相談所の所長のチェックが必要というきゅうくつな仕組みになっていたのは、この社会で圧倒的に力を持った側や悪質な業者・人から子どもたちを守るためです。
大人のチェックなしに子どもがしてしまった契約は、それだけを理由にキャンセルできます(未成年取消し)。
成人すると、契約をするのは自由になりますが、いったん結んだ契約は、未成年のときのように簡単にキャンセルすることできなくなります。
成人は自由であると同時に、自己責任を負うのです。
法律は、成人した人もいろんな形で守っていることも、知っておいてください。
やとわれて働く人(労働法)、家を借りる人(借地借家法)、消費者(消費者契約法など)など、立場の弱い人を力を持った側から守る法律がたくさんあります。
また、悪質な業者は、アポイントメントセールスやマルチ商法、その他次々と新しい手口を使って、相手からお金をだまし取ろうとしてきます。
そのような業者と契約させられてしまったときにある程度救済できる法律もあります(しかし、すでにだまし取られてしまったお金は実際には手元に返ってこないことが多いので要注意)。
 
*アポイントメントセールス=販売が目的であることを隠して会うことを約束して、会ったときに商品を購入させる手法。 *マルチ商法=”商品を購入した人が、その商品を次の人に売る”ことを次々と続けて、購入者と販売者を増やしていくことをねらう手法。
成人した人には、まずはぜひ次のことから気をつけてほしいと思います。
1️⃣特に大きなお金が動く契約や、期間の長い契約は、しんちょうにすること。すぐにその場で契約書にサインをせず、一度持ち帰ってじっくり考えること。 (時には他の人にも相談してみる)
2️⃣「ラクしてもうかる」は全くありえない話で、逆に自分が大きな損をする危険が高いので、そういう話があったら近寄らないこと。 (ネット上や見知らぬ人の話だけでなく、先輩や友人、恋愛感情を持った相手などからそういう話が出ることもあるので気をつける)
3️⃣クレジットカードの利用では「リボ払い」はしないこと (手数料が高いので残高がいつまでも減らず、苦しくなる)
4️⃣誰かの保証人にはならないこと。 (保証人というのは、お金を払えなくなった本人の肩代わりをしてお金を払わなければいけない人のこと。「迷惑はかけないから保証人になってほしい」という話を信じるのはNG)
5️⃣何か少しでもおかしいなと思ったら必ず早めに弁護士に相談に行ったり、消費者ホットライン(188)に相談したりすること。