どうしたら生い立ちを前向きにとらえられますか

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どうしたら生い立ちを前向きにとらえられますか。 ゆうた 高校2年生
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先輩たちからのメッセージ

「生まれたら勝ち」
しょうり/ファミリーホーム経験、大学4年生
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私は無理に生い立ちを前向きにとらえようとしなくて良いと思います。
私も自分の生い立ちについて色々考えて悩みながら心を整理していた時期がありました。
過去を振り返って心を整理するというのはとても辛くてしんどいことで、心を整理しているつもりがぐちゃぐちゃに散らかしてしまうこともあります。
ある時、性教育の研修を受けていました。
その先生は望まぬ妊娠により生まれたこどもたちと関わっており、彼らも自分の生い立ちについてとても悩んでいました。
その先生はそんな彼らに「生まれたら勝ち。過去がなんであろうとこの世に生まれ出てきた時点であなたの勝ち!」と言いました。
一見、突き放した適当な言葉に聞こえますが、研修を受けていた私はその言葉に救われました。
質問者さんも私も生まれた時点で勝っているのです。
生い立ちが足枷になって中々前に進めないときもあるでしょう。
けれど私たちは勝者です。
生きている限り前に進むことができます。
「これからの人生に目を向ける」
ゆうご/里親家庭経験、大学4年生
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生い立ちを聞いてショックを受けることはあると思います。
「なんで自分が社会的養護という環境で育たなければならないんだ」と自分の生い立ちを恨んでしまうことだってあると思います。
私はその気持ちと折り合いをつけ、前を向くためにはたくさんの人の愛情や友情にふれることが必要だと思います。
いろんな人と会話して、遊んで、食事をしてください。
そうした、いろんな人のプラスの気持ちがあなたに元気を与えてくれると思います。
生い立ちがどんなものであれ、これからの人生を作っていくのはあなた自身です。
いっぱい勉強して運動して、健康的な心身でいることを心がけ、未来を切り拓いてください。
そしてもう一つ、社会的養護出身ということは様々な場面で、NPOや政府から給付型のお金をもらえることができます。
進学するときには給付型奨学金がもらえます。
あなたには様々なチャンスがあります。
このことをぜひ、有効活用してみてください!
「前向きにとらえなくても大丈夫」
えりか/ファミリーホーム経験、大学3年生
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無理に前向きにとらえる必要はないと思います。
良い意味でも悪い意味でも、今のあなたをつくっているのは生い立ちがあってこそです。
ふとした瞬間に生い立ちのことを思い出して、辛くなるときもあると思います。
でも、その生い立ちとともに生きているあなたは強いです。
あせって前向きになる必要はないし、前向きにとらえることが必ずしも良いことではありません。
時間が解決してくれることもあります。
ゆううつな日があっても良いと思います。
私は、これまでの大変だった経験があったからこそ、今、人との縁やあらゆる出会いに恵まれているのだと考えるようにしています。
でも、これが正解とは限りません。
私がこう思えるようになったのも、今自分自身が幸せだと感じているからです。
目を背けたくなったら過去のことにはふたをして良いし、生い立ちによって何かを得たと思って意味を見出すことも前を向くための1歩となることでしょう。
あなたの未来が明るいものとなるよう、心から応援しています。
 

おとなからのメッセージ

「今、安心できる人や居場所があるといい」
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どうして自分は親と暮らせなかったのかなど、生い立ちを前向きにとらえられないネガティブな気持ちになることはあると思います。
でもその気持ちもあなたの大切気持ちです。
自分の生い立ちを振り返るのは、エネルギーがいると思います。
そのエネルギーを蓄えるためには、あなたを大切にしてくれる人にたくさん頼って甘えてくださいね。
 
幸せは、一人ぼっちではなく、今安心できる人、居場所あることだと思います。
「マイナスと思っていた人生が、安心できる人に出会って、なんか私ツイてるかも」と語ってくれた障害のあるこどものお母さんがいました。
自分の生い立ちを振りかえられるようになったときに
「自分は自分のままでいいのです。愛するにあたいする人間です」
という言葉を思いだしてみてね。