進学と就職の違い

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大学に進学した人と就職した人には、どんな違いがあるのか知りたい。 はるき 中学2年生
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先輩たちからのメッセージ

「就職すると長期休みは取れない!?」
なな/里親家庭経験、大学2年生
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大学にいると夏休みや冬休みのような長い休みがあるけれど、就職すると有給をとらないとなかなか休める期間はないかもしれない💦
「大学は自由で楽しい」
りんか/児童養護施設経験、大学1年生
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大学に行くと楽しいことがいっぱいです。
ほとんど趣味みたいに自分の興味のある授業ばっかり取れるし、平日でも半日は自由時間です。
バイトするも良し、趣味にぼっとうするも良し。
大学を卒業した人のほとんどが大学時代が一番楽しかった、と言ってます。
就職はまだしてないので分かりません!
大学はとにかく自由だよ、ということを言っておきますね✨
「社会人の方が自由。責任は大きい」
ゆうた/児童養護施設経験、大学4年生
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一般的に大学に進学した人は学生、就職した人は社会人と呼ばれます。
学生は高校生の延長のようなものですが、高校生よりもより専門的な学問を学び、そして何を学びたいかをある程度の範囲内から選ぶことができます(もちろん単位の関係上取らざるを得ない授業も出てくるかもですが...)。
 
社会人は社会に出て働いている人のことです。
そこにはお金が発生します。
大学生よりも自由な分、より責任のある行動や社会常識が求められ、すべてのことは個人でできることが求められます。
社会に出る前には教養を身につけておく必要があります💡
「高卒と大卒で給料ことなる」
ななこ/里親家庭経験、社会人
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高卒で就職した人と、大卒で就職した人での大きな違いはお給料です。
初任給という、最初の一年にもらえる基本のお給料が、高卒の方が大卒より結構安いところが多いです💰。
 

おとなからのメッセージ

「詳しく解説します」
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多くの人が知りたい点だと思うので、高校生と大学生の就職事情を見てみますね。
  1. 2023年3月卒者の就職率 高校卒 98.0% ※ほとんどが正社員就職 大学卒 97.3% ※正社員に加えて契約社員など非正規雇用が含まれる
  1. 就職活動のしかた 高校生 / 高校あっせんが主流、原則ひとり1社しか応募できない 大学生 / 学生主体で自由に応募できる
  1. 生涯賃金の違い(ユースフル労働統計2023) 60歳まで働いた場合の貰える給与の合計額(退職金を含めず) 高卒(男性) 2億300万円 高卒(女性) 1億4920万円 大卒(男性) 2億4740万円 大卒(女性) 1億9800万円
まず、1の就職率は、高校生も大学生もほとんど変わりません。
むしろ、高校生の就職はほとんどが正社員としての就職なので安定した身分を得ることができます。
ただし、就職先の選択肢の幅が違ってきます。
昔は製造業などの大企業では、多くの高校生を採用していました。
ところが、30年ほど前から海外に工場を移すなどの動きが広がったため、就職において高校生の選択肢が少なくなっている現実があります。
就職活動のしかたも、高校生はハローワークを通して高校に募集があった企業のなかから選ぶしかありません。
他方、大学生の場合は、採用されるかどうかは別として自らが自由に応募できます。
就職活動での選択肢の自由度が大きな違いと言えます。
ただし、大学生のほうが絶対に有利かと言うと、そうとも言えません。
大学生の就職率には、派遣社員や契約社員などの不安定な身分の非正規雇用も含まれています。
ある意味、高校生は、ハローワークや高校が窓口になることで不安定な会社を排除しているので安心して就職できます。
それに対して大学生の就職は本人の実力次第なので、希望する会社に必ず就職できるわけではありません。
むしろ、第一希望の会社に就職できない人のほうが多いのではないでしょうか。
次に③の「一生のうちに貰えるお金」について見てみましょう。
それぞれ学校を卒業して直ぐに就職し、60歳まで働いた場合の賃金ですが、大卒のほうが男性で約4千万円、女性で約5千万円も多いというデータです。
高卒のほうが働く期間が長いにも関わらず、大卒のほうがトータルの収入は多いとう結果ですね。
ただし、営業職など実力本位の職種や会社などでは、学歴が全く通用しないケースも多いです。
このデータはあくまでも平均的な推計値なので、大卒が必ず有利というわけではないと理解してください。
とは言え、はるきさんの心に進学をしたいと思う気持ちがあるなら、前向きに考えてほしいと思います。
と言うのも、大学進学には大きなお金がかかりますが、社会的養護が必要な学生には国や民間が奨学金などで支援体制を整えているからです。
高卒就職と大卒就職のどちらが得かはわかりません。
なぜなら、その人の価値観によるからです。
とは言え、大卒のほうが就職時の選択肢が広がることは確かなので、はるきさんが進学したいなら、これからの勉強を頑張ってほしいと思います。