里親さんに「ただいま」と言えない 

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里親さんに面倒を見てもらっているという気持ちが強い。 「ただいま」といえない。 「帰りました」になってしまう。 虐待を受けた経験からか、かしこまってしまう。 買い物に行って、「ほしいものある?」と聞かれても、「欲しいです」とは言えない。 「いいんですか」という気持ち。 けんと 高校2年生
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先輩たちからのメッセージ

「素直な気持ちで大丈夫」
たつや/里親家庭経験、大学1年生
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聞かれたことには正直に答えるのが一番だよ!
みんなあなた達の笑顔が見たいんだ!
「話せる人に相談から。ゆっくりと」
ゆいな/児童養護施設経験、大学3年生
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私は1か月だけ里親さんと生活した経験があります。
私も同じように面倒を見てもらっていると気持ちを強く持ってしまって、自分の気持ちをはっきり言うことができず、つらい思いをしたので里親から施設に変更しました。
無理に心を開こうとするのは逆に疲れてしまうと思います。
まずは自分が話しやすい人に相談してみて、ゆっくりでいいので少しずつ自分の気持ちを直接伝えられるようになるといいですね。
「めちゃくちゃ分かる。前向いて」
はると/児童養護施設経験、大学1年生
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私も全く同じ境遇だったのでその気持ちめちゃくちゃ分かります。
本音が出せなくなりますよね。
一歩ずつ成長していくためには、まず「ただいま」って言ってみることを意識してみてはどうでしょうか。
 
安心してください。誰もあなたを責めることはないです。
つらい思いは消えないかもしれないけど前向いてがんばろう!
「里親さんもきっと見守ってくれる」
なつき/里親経験、大学2年生
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無理に変える必要はないと思います。
私も里親家庭ですが自分がどうしたい、何が欲しいと伝えるのは苦手です。
里親家庭出身の仲の良い友達も、「とても遠慮してしまう」、「敬語を使ってしまう」と言っていました。
恐怖を感じた経験からそうなってしまっているものは、「こうしなきゃ」と思ってすぐに変えられるものではないし、里親さんもそれはご存じかと思います。
里親さんも、ただいまと言わなければ怒る、とか不快な気持ちになる、ということではないだろうと思いますし、少し遠慮がちになってしまう癖があって…と話をすればゆっくり見守ってくれるのではないかと思います。
(あくまで個人の意見です)
「大人になってから、同じ気持ちを里親さんに話してみて」
しょうり/里親家庭・ファミリーホーム経験、大学4年生
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けんとくんは中学・高校生くらいからその里親さんのもとで暮らしているのではないでしょうか。
私も中学生からファミリーホームで生活をしていたので、とても気持ちが分かります。
けんとくんと同じで、面倒をみてもらっている、何かをしてもらっている、という気持ちが強く、自分の要求を伝えることがあまりできませんでした。
無意識のうちに遠慮してしまい、時にはがまんすることもありました。
大人になってから里母と中学生のころの話をするのですが、里母も私が遠慮していることには気づいていたようです。
里母から声をかけすぎるのは逆に圧をかけてしまうと考えていたらしく、「ずっと待っていた」と話してくれました。
けんと君の里親さんもきっと待っているのだと思います。
どうしても要求を伝えることが難しい場合は、児相の方に間に入ってもらうのはどうでしょうか。
「わがままではないから、大丈夫」
ななこ/里親家庭経験、社会人
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確かに里親家庭にいると、自分だけに里親さんの時間や労力をかけてもらっていると思ってしまいます。
謙虚な気持ちを持てて、とても優しい心で素敵です。
でも、気が向いたら、たまには言ってみてもいいかもしれません。
あなたのその発言は絶対にわがままではないと思いますし、きっと里親さんもそう受け止めて、喜んで意見を聞いてくれるかも。
「他の居場所もあるといい」
るか/里親家庭経験、社会人
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私も同じように里親さんに遠慮してしまったり気をつかってしまったりしていました。
無理に素直になろうとしなくてもいいのかなと思います。
私は気をつかわずに自分らしく居られる他の場所を見つけられたので楽になれました。
そんな場所をみつけられたらいいのかな、なんて思います。
 

おとなからのメッセージ

「”いいのですか”の気持ちも大切に受け止める」
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里親さんに面倒を見てもらっていると感じているあなたは、とても謙虚(けんきょ)な気持ちを持っているのですね。
里親さんは、あなたを自分たちの家族・こどものように大切に思っていることでしょう。
 
「ただいま」は、「ただいま帰りました」の略語です。
たった今、帰りましたという意味です。
「ただいま」でも「帰りました」でも、どちらの言葉でもよいと思います。
里親さんは、あなたが家に帰って来たとき、「お帰りなさい」と待っていたように温かく言ってくれることでしょう。
言葉を交わし合うことで心が温かくなり、なんだか嬉しくなりませんか?
私は、仕事を終えて家に帰ったそのとき、家族の「お帰りなさい」の一言でホッとし(私を待っていてくれた嬉しさに)思わず疲れが吹っ飛びますね。
また、「欲しいものある?」と聞かれて、欲しいとは言えないあなたの気持ちも里親さんは理解できますが、一日も早く自分の気持ちを伝えられる関係になりたいとも願っています。
「いいのですか」というあなたの気持ちを大切にされることでしょう。