権利があっても使えない?

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権利が適用される場合と適用されない場合があるが、その違いは何か気になる。 かずま 中学3年生
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先輩たちからのメッセージ

 
「権利は守られるはず」
れな/児童養護施設経験、大学2年生
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基本的には権利は守られるようになっています。
もし権利が適用されていないと感じるのならば、権利侵害されている可能性があります。 少しでも疑問に思ったことはお話し出来る大人の方に聞いてみましょう。
 

おとなからのメッセージ

「最大限に守られる人権。ぶつかったときは十分な調整が必要」
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一人ひとりが大切な存在として尊重されるという「人権」という権利は、誰もが生まれたときからもっています。
そして人権は、最大限守られなければならないものです。
もっとも、人権は絶対に何の制限も受けないというわけではありません。
この社会には本当にいろんな人がいます。
バラバラな人たち一人ひとりが共に暮らすためには、権利どうしがどうしてもぶつかるので、その権利どうしの調整が必要になり、制限が必要な場面が生まれます。
 
例えば、自分の思いを大きな声で社会に訴えたい人の表現の自由と、静かに過ごしたいという人のおだやかに暮らす権利(人格権)がぶつかれば、どちらも大切なその2つの調整が必要になりますね。
法律などの社会のルールは、そういう調整を通して一人ひとりを大切に守るためにあるのです。
また、こどものときに「権利が適用されていない」と感じる場面も多くあると思います。
例えば、子どもの権利条約は遊ぶ権利を保障していますが、全く自由気ままに遊べるわけではなく、大人たちは「夜遅くまで外で遊んではダメ」などと制限しますね。
それは、安心安全に暮らし育つという子ども自身の大切な権利との調整の結果です。
そしてその調整は、大人がしなければいけない義務、こどもに対して負っている義務です。
自分の権利が「適用されていない」と感じるときには、誰の何の権利との調整なのか、そしてその調整を誰がどのように決めているのかを考えてみてください。
そして、よく考えてみても、やはり「その調整の仕方はおかしい」とか、「調整の決め方がおかしい」ということもあると思います。
そういう時には決してがまんせず、おかしいことに「おかしい」と声を上げることが大切です。
 
しっかり話し合いをしたり、同じ意見の人を集めて一緒に声を上げたり、裁判で自分の言い分を主張したり、きちんと投票に行ってしっかりした議員を選んだりするなど、いろんな方法を通して社会をより良いものに変えていく、そういう素敵な社会人になってほしいと強く思っています。