大人は話を聞いてくれない

 
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大人は話を聞いててくれない。 もっとまじめに悩み事を聞いてほしいし、聞くだけではなくて、その後、少しでもいいのでできることをやってほしい。 さおり 高校2年生
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先輩たちからのメッセージ

「どう聞いてほしいのか、どう対応してほしいのか、伝えよう」
ゆいな/児童養護施設経験、大学3年生
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大人の方は話を聞いても、どうしてほしいのかが分からないのかもしれません。
自分が話をどう聞いてほしいのか、どう対応してほしいのかを伝えてみると力になってくれるかもしれません。
「全くもってその通り」
ゆうた/児童養護施設経験、大学4年生
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全くもってその通りだと思います。
悩み事は聞くだけ聞いて、面倒くさいから何もやらないというのは子どものことを軽く見ているのではないでしょうか。
大人はもっとこどもに対し、しんしに向き合う姿勢が必要だと思います。
「”一対一で話したい”と伝える方法」
しょうり/里親家庭・ファミリーホーム経験、大学4年生
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学童保育のバイトを始めて、こどもたちの話を聞くというのは意識していても難しいことに気が付きました。
一対一の場合は最後まで話を聞くことができるのですが、一対複数の場合は聞き流してしまうことも多々あります。
そのため、こどもたちには、大切な話がある場合は「一対一で話したい」と言ってもらえるようにお願いしています。
もちろんそれでも自分から発するのが難しい子もいるので、そういった子には私から話しかけるようにしています。
さおりさんもよかったら「一対一で話をしたい」と伝えてみてはいかかでしょうか。
きっと耳を傾けてくれると思います。
 

おとなからのメッセージ

「あなたの意見は大切。手紙も効果的」
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「意見や希望を言う権利」
「わたしのことについて、わたしの考えを聴かれ尊重される権利」
この2つタイトルはある権利ノートに書かれているものです。
こどもには、こどもに関わるすべてのことについて、自由に意見を言う権利があり、その意見はきちんと受け止めてもらい、大切に扱ってもらうことになっています。
また、こどもには、自分の気持ちや意見を聴いてもらい、尊重してもらえる権利があります。
その意見の実現に向けて職員さんに働きかけていきましょう。
あなたの意見がすべて実現されるわけではありませんが、納得できるように話し合うことが大切です。
ただし、職員さんも多忙なため、忙しいときに話しかけるのではなく、リラックスした雰囲気や、例えば一緒にお菓子を食べながらゆっくりしているときなどを選ぶことが必要かもしれません。
また、手紙やメモで気持ちや悩みを伝えることもできます。
文字にすることで自分の気持ちを整理しやすく、職員さんもじっくり読むことができますので効果的な方法の一つです。
「思いが伝わるために」
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あなたにはモヤモヤしたものが残ったんですね。
なぜその大人はあなたの望むような行動をとれなかったんでしょうか?
その人に聞く気がなかった?
その人に他にやらなければいけないことがあった?
あるいは聞いた内容を「自分で解決すべきだ」と判断したのでしょうか?
いずれにしてもなぜそういった行動をとったのかの説明があれば、あなたの気持ちはもっと別なものになったのでしょうね。
その後のあなたとのかかわりの中から、「あなたの話を真剣に聞いている」という姿勢をみせるべきだとこの大人が学んだことを祈ります。
ここからは養育者の思いについてお話させてください。
生活を共にする中で養育者も、「こどもがちっともいうことを聞いてくれない」という言葉を口にします。
その言葉を聞くたびに、思いを口にすることは難しいなぁ、それ以上に思いが”伝わる”ことはもっと難しいなぁと感じています。
お互いがもう少し話を聞いていれば、あるいは言葉を省略しなければ分かり合えたのになぁと、後から振り返ることが多々あります。
養育者は普段からあなたと生活を共にしているからこそ、あなたが口にして伝えたいことがすぐに分かるときがあります。
それが施設の決まりだったり勤務外のことであったりでかなえてあげられないことも分かってしまいます。
実現が難しいとわかってしまうから真剣にその問いかけに向き合えず最後まであなたの話を聞くことができない、そんな場合があるんです。
こんなこともあります。
養育者は常に一人ひとりにとって最もよいことを考えていろいろな判断をしています。
しかしあなた自身が考える“最もよいこと”をかなえられない場合があります。
例えば、あなたの行動や言葉がほかの人を傷つける可能性がある場合です。
その場合にはあなたの思いを受け止めることではなく、他のこどもの安全を優先せざるを得ません。
それでも、いろいろな手を尽くして時間がかかってもあなたの気持ちを受け止める努力をするのが養育者だと思います。
だから養育者が思いを受け止めなかった時には、「ごめんね、今の私にはできない」あるいは「ごめんね、それを実行に移すことがあなたのためになるとは思えない」と伝えようとしているかもしれないと思いを寄せてみてください。
あなたに思いが伝わったと実感できたら、養育者は、「今回は最優先にできなかったのだから必ず別の形であなたの思いに応えよう」と考えるはずです。